川崎市立宮前図書館

宮前図書館による若年性認知症への取り組み

川崎市立宮前図書館では、若年性認知症の当事者の方が自分らしく活動できるよう、行政や専門機関と連携した取り組みを行っています。認知症は高齢者だけの問題ではなく、働き盛りで発症する若年性認知症の存在についても、その周知に努めています。

1.当事者の「声」を届ける情報の拠点

 館内には「認知症」をキーワードに集めた「認知症の人にやさしい小さな本棚」が設置されています。ここには  関連書籍だけでなく、地域のケア情報が掲載されたチラシやパンフレットも集約されています。最大の特徴は、当事者の方、自ら綴ったエッセイなどを展示し、本人の「声」を発信する機会を創出している点にあります。また、宮前区役所地域見守り支援センターや市の若年性認知症サポートデスク等と連携し、図書館を「情報の入り口」として機能させています。

2.図書館の強みを活かした「あのころ会議」

 若年性認知症の当事者が集い、自由に思いを語り合える交流の場として「あのころ会議」を実施しています。この取り組みの最大の強みは、図書館が大切に保管してきた30年前の新聞記事や写真、当時流行した音楽といった「アーカイブ」を活用することです。懐かしい「あのころ」の資料を媒介し、語り合う自然な交流が生まれています。そして、これから歩んでいく人生や好きなことの糧になることにつなげる機会にしたい思いで実施しています。この事業は膨大な記録を持つ図書館だからこそできる独自の事業であります。

3.まとめ

 宮前図書館の取り組みは、従来の「本を貸し出す場所」という枠組みを超え、資料を媒介に当事者の社会参画を促しています。特に若年性認知症の当事者にとって、過去の記録を通じて他者とつながり、現在の思いを共有できる場があることは、孤立を防ぎ、尊厳ある生活を支える重要な基盤となります。専門のサポートデスク等と手を取り合うことで、当事者の方や家族が日常生活の中で無理なく専門的な支援に繋がれる環境を整えるために努めていきます。

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